<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

中小企業しごと魅力発信プロジェクト 東京カイシャハッケン伝 東京カイシャハッケン伝

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TOKYO SHIGOTO WAGON REPORTトーキョー・シゴト・ワゴン 実施レポート

日本大学文理学部連携回

1社目 日都産業株式会社/7名参加

 日都産業は、ぶらんこ、すべり台、ジャングルジムなど、公園に置かれる様々な遊具を製造する老舗の遊具メーカーです。羽村市にある工場にお伺いし、社員の皆さんにお話を聞きました。

日都産業が手掛けてきた様々な遊具を紹介 日都産業が手掛けてきた様々な遊具を紹介

ツアー内容

社員の方からのお話
 ツアーの最初は、工場長の永尾さんから会社概要をご説明いただきました。
「当社では、約70年前から公園の遊具を製造・販売しています。『グローブジャングル』と呼ばれる回転する球状のジャングルジムは、当社が1960年代に開発したものです。また、やじろべえ型の『弓型シーソー』は遊具業界で初めてグッドデザイン賞の部門別大賞(公共空間部門)を受賞しました」
 ぶらんこは年間1,000台を出荷しており、出荷台数は全国1位。他にもすべり台やターザンロープなど、様々な遊具を販売しています。
 また、子ども向けの遊具だけでなく、少子高齢化に対応した健康器具の開発にも積極的です。同社は34年前に公園用の健康器具を初めて開発した、健康器具のパイオニア。他にも、ベンチやあずまやなどの休養施設、防災用品も作っているそうです。

 続いて、各部門の仕事内容についてご説明いただきました。
「デザイン課では、アイデアスケッチをもとに近隣の幼稚園で人気投票をしてもらい、子どもに人気があったデザインを製品開発の参考情報にすることもあります。試作品をつくったら、10歳児の体重の重りを乗せ、100万回の可動テストを行います」
 100万回というのは、公園に設置して約5年間で使用される回数。同社の安全意識の高さがうかがえます。
 また、小学校の社会科見学や海外からの企業視察など、工場見学を受け入れているとのこと。地元のお祭りの際には、地域貢献の一環として遊具を設置し、近隣の子どもたちに遊んでもらっているそうです。

 最後にまとめとして、同社の3つの強みについてお話しいただきました。
「1つめはデザイン力。幼児用の遊具を始めとして、乳幼児用の遊具、大人用の健康器具など、様々なカテゴリに対応しています。2つめは、それを実現させる設計力。『デザイン画はいいけど、出来上がってみたらイメージと違った』ということがなく、完成品にも高い評価を得ています。3つめは、安全・品質にこだわる職人気質の現場力です。社員一人ひとりがプライドを持って製作しています」

 更に、デザイン課長の小林さんからは、新製品の開発について実例を挙げながらご説明いただきました。
東京等の都市部では、保育所の設置にあたり『園庭がなくても、近隣の公園を園庭の代替地とすることができる』と定められています。通常、公園の遊具は3歳以上の子どもが使うことを想定していますが、保育所には3歳未満の子どももいます。子どもたちが安心して遊べるよう、乳幼児向けの遊具を開発する必要が出てきたのです」
 そこで同社は、「乳幼児向けには一体何を作ればいいのか」を検証するところからスタート。まずは保育所の協力を得てイベントを開催し、1歳から3歳までの子どもがどんな動きをするのか、どんなことをして遊ぶのかを学びました。また、社員が1日ボランティアで保育士として勉強に行くこともあったそうです。
 「試作品を作り、実際に保育所などで使ってもらって保育士の方の意見を聞きました。そうして出来上がったのが、3歳以下の乳幼児を対象とした遊具『りぐりぐ』です。この製品はキッズデザイン賞を受賞しました」
実際に製造・販売されている製品の開発秘話に、学生たちも興味津々の様子でした。

工場見学と座談会
 続いては、工場内を技術部の小倉さんに案内していただきました。材料が置かれているスペースにはたくさんの種類の金属パイプが山積みに。一口に遊具といっても、大きさや構造は様々なため、最も適した材料を選んで作るそうです。
 また、かつてブランコの座面は木製でしたが、人にぶつかったときにケガをして危ないということから、ゴムで周囲を囲んだものになったそうです。実際に座面を触らせていただくと、予想以上の柔らかさにびっくり。安全な遊具を作るためにいろいろな工夫がされていることがわかりました。

 一通り工場内を見学した学生たちは会議室に戻り、若手社員の方との座談会を行いました。
学生からは「なぜこの会社を選んだのですか?」という質問が挙がり、設計課の社員の方からは「使っている人の反応が見えるものを作りたいと思ったからです。自分が設計した遊具が設置されている公園をときどき見に行くのですが、子どもたちが楽しそうにしているところを見るとやりがいを感じます」と、選んだ理由とともに、仕事の面白さについてもお話しいただきました。

 訪問の最後は、総務部の鎌田さんからのご挨拶で締めくくられました。
「いろいろな業種や職種、会社を見比べて、自分に合うかどうかを見極めてください。同じ業界でも、会社が違えば雰囲気も違います。仕事を続けていく上では、感性が合うかどうかが大事です」

  • 製造中の遊具について説明する小倉さん製造中の遊具について説明する小倉さん
  • 丁寧に整理・整頓された工場内丁寧に整理・整頓された工場内

学生の声

 参加した学生からは、「遊具がどのような過程を経て出来るのか、また安全面においてどのように対策しているのか詳細を知ることができた」「世の中の流れに合わせて遊具を考えたり、社員が保育士体験をしたりしているところがすごい」「自分がつくったものが目に見えるとやりがいになりそう」など、ものづくりへの思いに対する感想が多く挙がりました。また、「デザインや設計をする上では、コミュニケーションやリーダーシップが必須だと思った」という成長ポイントにも気付けたようでした。

  • 社員の方のお話に真剣に耳を傾ける学生たち社員の方のお話に真剣に耳を傾ける学生たち
  • 若手社員の方から仕事のやりがいを伺った座談会。若手社員の方から仕事のやりがいを伺った座談会

2社目 株式会社メトロール/7名参加

 メトロールは、高い精度が要求される工業用センサーを始め、機械・空圧・電気の測定3要素を駆使したオリジナリティーの高いセンサーを開発しています。立川市にある本社を訪問し、社長や社員の方々のお話を聞いてきました。

松橋社長が会社の事業や経営理念を説明 松橋社長が会社の事業や経営理念を説明

ツアー内容

社長からのお話
 メトロールの本社に着いた学生一行は、同社で導入しているクラウド経理システムの動画を見た後、松橋社長から会社や事業について伺いました。
「製品開発の面白いところは、中小企業でも専門性を伸ばせば大企業と対等に戦えるところ。当社は『精密位置決めセンサーで世界一になる』という目標を掲げて工場の製造現場で使われるセンサーを開発しています」
 「世界一」の目標に向かって国際化を進めており、なんと売上の約6割が海外だといいます。海外向け販売サイトを設け、世界72か国で販売しており、世界中どこでも7日以内に納品することが可能とのこと。また、世界14か国、38都市で海外展示会に出展し、現地の言葉でPRすることで更に販売網を広げているそうです。

 また、同社の経営理念「CEPS」についてもご説明いただきました。
「CEPSとは、『Customer Satisfaction(お客様満足)、Everyone Satisfaction(全社員満足)、Productivity(生産性)、Speed(スピード)』の略です。中でも『E』を大きく表記しているのは、『会社の仲間や仕事を愛せない社員は、製品もお客様も愛せない!』という考え方があるためです。当社ではES(社員満足)を一番に掲げ、従業員にとって働きやすい会社を目指しています」
 そのため、同社の組織は一般的な縦割りではなく、年齢や役職に関係なく部門を超えてプロジェクトに携わります。また、「気づき箱」というユニークな提案制度も特徴の一つ。社内をより良くするためのアイデアや、社員が気付いたこととそれに対する提案を書き込み、箱に投函するというものです。年間で1,300件ものアイデアが集まり、そのうちの約9割は実現させているとのこと。応募された翌朝には実行するというスピード感には、学生たちも驚いていました。
 「年に3回ビアパーティーを開催し、そこで優秀なアイデアを提案した人を表彰していますが、家事や子育てをしている社員のため18時には閉会します。」
 松橋社長のお話からは、活気にあふれる会社であることが伝わってきました。

工場見学と座談会
 続いて、会社からほど近くの工場に全員で移動。入口で白衣を着用し、社員の方にご説明いただきながら内部を見学しました。精密機器の組立てや、精密な部品がたくさん並ぶ部品棚など、製造の現場に一同興味津々でした。

 その後再び本社に戻ると、松橋社長と開発部の社員の方を交えて座談会が行われました。社長・社員ともに日本大学の先輩だったため、質問も積極的でした。
 「工場に最新技術が導入されたり、社員が『気づき箱』にアイデアを提案したりして会社がどんどん新しくなっていく中で、変化についていけなくなることはありませんか?」という質問には、「初めは少し戸惑いましたが、社員の意見をもとに行っているので、ついていこうと頑張っています!」という率直なお話も。また、「海外出張はありますか?」という質問には、「海外のお客様にセンサーの使用方法や取付けを教えに行くことがあります。語学は苦手ですが、最低限の会話を覚えて、なんとか空港を乗り切っています(笑)」と、実際の業務についてもお答えいただきました。
 また、「なぜアイデアを社員から集めているのですか?」という松橋社長への質問に、「規模が小さい会社なので、製品で勝負するためには、常に他社とは違うものを作り、差別化していくことが必要です。社員が新しいアイデアを出してくれたら全部やりたいと思っています。20代、30代の社員が何千万円もの機械の導入を提案することもあります」と、情熱あふれるお話が聞けました。

 座談会の最後は、松橋社長からのメッセージで締めくくられました。
「皆さんは100歳まで生きる世代です。働くことで自分の人生をより良いものにしていってほしいと思います。自分の得意なものを見極めて、良いところを伸ばしながら、幸せな社会人になってください」

  • 白衣に着替えて工場内を見学白衣に着替えて工場内を見学
  • 最新機器について説明を受ける学生たち最新機器について説明を受ける学生たち

学生の声

 参加した学生からは、「社員のアイデアを柔軟に取り入れたり、クラウドシステムを導入したりと、先に進んでいる印象を受けた」「経理や人事がないことに驚いた。それによって効率化を図り、いろいろなことに挑戦できる社風はかっこいいと思った」といった、同社の積極的な姿勢に対する感想が挙がりました。また、「社内や工場の雰囲気が明るかった」「社長と社員の距離が近いのは中小企業ならではだと思う」と、アットホームさを感じたようです。

  • 座談会では日本大学文理学部出身の先輩と交流座談会では日本大学文理学部出身の先輩と交流
  • 松橋社長のお話に真剣に耳を傾ける学生たち松橋社長のお話に真剣に耳を傾ける学生たち

まとめ

 1社目の日都産業は、「子どもたちのためにより良い遊具を作りたい」という社員の皆さんの思いを聞き、どのようにデザインを考えているか、安全な遊具がどのような工程で作られているかなどを見学しました。
 2社目のメトロールは、社長から専門性を伸ばし世界一になるという目標を聞き、精密機器の組立現場や最新機器を見学、製品が世界へ届けられる様子を見て学生は興味津々でした。
 学生は今回のツアーによって、業界は違うがものづくりの工場を見学し、高い技術を見せて頂くとともに、社内や工場の明るい雰囲気や活気あふれる様子を感じて頂けたようです。

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